ジムに行ってないから太る?その前に「普段どれだけ動いてる?」

「食べる量を減らしているのに、なかなか痩せない」

「昔と同じくらいしか食べていないのに、40代になって体重が増えやすくなった」

ダイエット指導をしていると、こういう相談を本当によくいただきます。

そんなとき、多くの方がまず考えるのが、

「もっと食事を減らした方がいいのかな」

「運動不足だからジムに行かないとダメかな」

ということ。

もちろん、食事も運動も大切です。

でもその前に、一度確認してほしいことがあります。

普段、一日の中でどれくらい身体を動かしていますか?

実は、私たちが一日に使うエネルギーは、ジムやランニングなどの「運動」だけで決まるわけではありません。

そこで知っておきたいのが、

NEAT(ニート)=非運動性身体活動熱産生

です。


NEAT(ニート)とは?

NEATは、

Non-Exercise Activity Thermogenesis

の略で、日本語では「非運動性身体活動熱産生」といいます。

簡単にいうと、

スポーツやトレーニング以外の日常生活の動作によって消費されるエネルギー

のことです。

例えば、

  • 駅まで歩く

  • 階段を上る

  • 買い物で歩く

  • 掃除や洗濯をする

  • 料理をする

  • 子どもの送り迎えをする

  • 仕事中に立ったり移動したりする

  • 庭仕事をする

  • 立って話す

こうした動きもすべて身体活動です。

「今日は運動していないから、ほとんどエネルギーを使っていない」

というわけではないんですね。

逆に、

30分運動したから今日はよく動いた

と思っていても、それ以外の時間をほとんど座って過ごしていることもあります。

だからダイエットでは、

「運動したか?」だけではなく、「一日をどう過ごしたか?」

も大切になります。


そもそも私たちは何にエネルギーを使っている?

一日の総エネルギー消費量は、大きく分けると、

① 基礎代謝
② 食事誘発性熱産生
③ 身体活動によるエネルギー消費

などから成り立っています。

① 基礎代謝

何もせず安静にしていても、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、体温を維持したり、生命を維持するためにエネルギーを使っています。

② 食事誘発性熱産生

食べたものを消化・吸収・代謝するときにもエネルギーが使われます。

③ 身体活動

ここには、

運動+日常生活での活動

が含まれます。

つまり、

「消費カロリーを増やす=ジムに行く」

だけではないということです。

そしてNEATは生活環境や仕事、移動手段などによって個人差が大きいことが知られています。


「昔と同じくらいしか食べてないのに太る」のはなぜ?

40代になると、

「若い頃とそんなに食べる量は変わってないんです」

という方がとても多いです。

それでも体重が増えてきた。

すると、

「やっぱり代謝が落ちたから?」

と思いますよね。

もちろん、加齢に伴う筋肉量や体組成の変化なども関係します。

でも、もう一つ見落としやすいのが、

生活そのものの変化です。

20代、30代の頃は、

駅まで歩いて通勤していた。

仕事中もよく動いていた。

子どもが小さくて、一緒に外を走り回っていた。

買い物も歩いて行っていた。

休日もよく出かけていた。

ところが今は、

デスクワーク中心。

移動は車。

買い物はネットでもできる。

仕事が終わったらソファ。

家電も便利になっています。

本人には、

「運動量を減らした」

という意識すらないことがあります。

でも一日の中の、

立つ。
歩く。
運ぶ。
しゃがむ。
移動する。

という小さな動作が減っている。

つまり、

食べる量が昔と同じでも、消費する側が昔と同じとは限らない

ということです。


食事を減らせば痩せる、だけではない

体脂肪を減らすには、長期的なエネルギー収支が重要です。

だから摂取エネルギーを調整すること自体が間違っているわけではありません。

問題は、

「痩せないなら、もっと食べる量を減らせばいい」

と、食事だけをどんどん削っていくことです。

極端に食事を減らして、

疲れる。
だるい。
集中できない。
すぐ座りたくなる。
横になりたくなる。

こんな状態になれば、日常の活動量が落ちる人もいます。

本人は、

「ちゃんと食事制限している」

と思っている。

でも身体の方では、

動く量まで減っている。

摂取するエネルギーを減らした一方で、消費する側も小さくなってしまう可能性があるんですね。


ダイエットで知っておきたい「代謝適応」

ここから少し専門的な話をします。

減量によって体重が減れば、以前より小さな身体を維持するために必要なエネルギーも少なくなるので、エネルギー消費量が下がるのは自然なことです。

さらに、エネルギー制限や体重減少に伴って、体重や体組成の変化だけでは説明できない程度にエネルギー消費が低下する現象がみられることがあり、

「代謝適応(adaptive thermogenesis)」

などと呼ばれています。

ただし、その程度には個人差があります。

ここを、

「食べないと身体が省エネモードになって絶対に痩せなくなる」

と単純化するのは正確ではありません。

それでも大切なのは、

身体のエネルギー消費はいつでも完全に一定ではない

ということ。

だから、

「痩せない」

↓

「もっと食事を減らす」

↓

「疲れて動かなくなる」

↓

「さらに食事を減らす」

という方向に進むのではなく、

食べる側と使う側の両方を見ること

が大切なんです。


NEATを増やせば、ジムに行かなくてもいい?

ここも誤解してほしくないところです。

NEATが大切だからといって、

「筋トレや運動は必要ない」

という話ではありません。

特に40代以降は、筋肉量や筋力を維持するためにも、筋肉に刺激を入れる運動は大切です。

NEATと筋トレは役割が違います。

NEATは、日常生活の活動量を減らさないこと。

筋トレは、筋肉や筋力を維持・向上させるための刺激を入れること。

どちらか一つではなく、

日常ではよく動く+できる範囲で筋肉にも刺激を入れる。

私はこの考え方です。


ちなみに、私はジムには行っていません

私はジムには行っていません😂

だからといって、まったく運動をしていないわけではなく、

自宅でスクワットをしたり、簡単にできる運動はしています。

そのうえで、

普段どれくらい動いているか

も意識しています。

歩く。
立つ。
家事をする。
座りっぱなしを減らす。

そこに自宅でできるスクワットなどをプラスする。

もちろんジムに通ってしっかりトレーニングするのもいいと思います。

でも、

「ジムに行ってない=運動不足」

と単純に考える必要はありません。

逆にジムで1時間運動していても、残りの時間をほとんど座って過ごしていることもあります。

だから、

「今日、運動した?」

だけではなく、

「今日一日、どれくらい動いていた?」

も見てほしいんです。


40代こそ「食べて動ける身体」を

40代になると、

「痩せないから食べる量を減らそう」

と考える方が多いのですが、私は食事を極端に削る方法はおすすめしていません。

私自身、食べないダイエットをすると、

体力がなくなる。
疲れる。
イライラする😂

そして結局、動きたくなくなります。

食事を極端に減らして必要な栄養まで不足すれば、筋肉を維持するうえでも不利になります。

だから、

必要なものは食べる。
筋肉を使う。
そして一日の活動量を落とさない。

40代からは、この考え方がとても大切だと思っています。


NEATを増やすために、今日からできること

特別なことをする必要はありません。

大切なのは、

「運動の時間を増やす」だけではなく、「動かない時間を減らす」

という発想です。

例えば、

エレベーターやエスカレーターばかり使わず、できるところは階段にする。

近い場所なら歩く。

長時間座っていたら、一度立つ。

電話中は立って話す。

買い物では少し多めに歩く。

掃除や家事をしっかり身体を使って行う。

そして私は、

家でスクワットを10回。

こんな小さなことでもいいと思っています。

「今日はジムに行けなかったからゼロ」

ではありません。

むしろ、

一日中の小さな動きを積み重ねる。

それがNEATの考え方です。


座りっぱなしの時間にも注目

デスクワークの方には、もう一つ意識してほしいことがあります。

それが、

長時間の座りっぱなし。

「運動しているから大丈夫」と考えるだけではなく、長く座り続ける時間を途中で区切ることも大切です。

仕事中なら、

トイレに行く。
飲み物を取りに行く。
少し立つ。
数分歩く。

この程度でも構いません。

NEATを増やすというと、

「もっと動かなきゃ!」

となりがちですが、

まずは座り続ける時間を減らす

と考えると、取り入れやすいと思います。


涼しくなる秋は、活動量を戻すチャンス

今年の夏、本当に暑かったですよね。

「ウォーキングしよう」

と思っても、

外に出た瞬間、

無理。笑

という日も多かったと思います😂

暑い時期に無理して外を歩く必要はありません。

でもこれから暑さが和らいでくると、

歩く。
買い物に行く。
出かける。
身体を動かす。

こうしたことがしやすくなります。

だから秋は、

「食欲の秋」でもありますが、

日常の活動量を戻すには、とてもいいタイミング。

連休中、雨であまり動かなかった人も、

いきなりハードな運動を始めなくて大丈夫です。

まずは、

「今日、どれくらい動いた?」

を意識するところから始めてみてください。


まとめ|食事だけでなく「消費する側」も見てみよう

「昔と同じくらいしか食べていないのに太る」

「食事を減らしているのに痩せない」

そんなとき、

食事をさらに減らす前に、

一日の活動量が以前より減っていないか

も振り返ってみてください。

ダイエットは、

食べる量だけでも、ジムに行った回数だけでもありません。

必要な栄養を摂る。
日常生活でよく動く。
筋肉にも適度に刺激を入れる。

そして、

「今日運動した?」だけではなく、
「今日一日、どれくらい動いた?」

この視点も持ってみてください😊


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よくある質問

Q. NEATを増やせば運動しなくても痩せますか?

NEATはエネルギー消費の一部なので、増やせば必ず痩せるというものではありません。体重変化には食事、活動量、体格、睡眠、体調などさまざまな要素が関係します。筋肉や筋力を維持する意味では、筋トレなどの運動も取り入れることをおすすめします。

Q. 毎日ジムに行く必要はありますか?

必ずしもジムである必要はありません。自宅での筋トレやウォーキングなど、自分が続けられる方法で身体を動かすことが大切です。私はジムには行かず、自宅でスクワットなどをしています。

Q. デスクワークでもNEATを増やせますか?

増やせます。長時間座り続けず定期的に立つ、移動では階段を使う、近距離は歩くなど、生活の中に小さな動きを増やしてみてください。

Q. 食事を減らすと代謝が落ちるのですか?

エネルギー制限や体重減少に伴ってエネルギー消費量は変化しますが、「少し食事を減らしただけで代謝が止まる」という単純なものではありません。極端な食事制限を長く続けるのではなく、必要な栄養を確保しながら無理のない減量を行うことが大切です。

Q. 40代になると必ず代謝が落ちるのですか?

年齢だけで決まるわけではありません。筋肉量、体格、活動量、生活環境なども関係します。「40代だから仕方ない」で終わらせず、食事と一日の活動量の両方を見直してみましょう。

 

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土井 千春
株式会社シーエスティーグレイス代表 土井 千春