便秘なのに「腸」ばかり見ていませんか?大切なのは「内臓力」

便秘になると、
「ヨーグルトを食べよう」
「食物繊維を増やそう」
「腸内細菌を整えよう」
と、どうしても「大腸」のことばかり考えてしまいませんか?
もちろん、腸内環境を整えることは大切です。
でも実は、便ができて排泄されるまでには、その前に長い工程があります。
食べる。
消化する。
吸収する。
便をつくる。
腸を動かす。
そして、出す。
排便は、この一連の流れの一番最後です。
だから私は、便秘を考えるとき、
「大腸に何を足すか?」だけではなく、その前の「消化」から見ることも大切
だと考えています。
今回は少し専門的に、でもできるだけ分かりやすく。
「食べたものが便になるまで」を体の中から見ていきましょう。
食べたものは、どうやって便になる?
私たちが食べたものは、大きく分けると、
口(噛む)
↓
胃(消化する)
↓
十二指腸・小腸(さらに消化して吸収する)
↓
大腸(便をつくって運ぶ)
↓
排便
という順番で進んでいきます。
こうして見ると、大腸に到着するまでにも、たくさんの仕事がありますよね。
例えば、お肉を食べたとき。
体の中では何が起きているのでしょうか?
STEP1|消化は「口」から始まっている
お肉を一口食べたら、まず噛みます。
噛むことで食べ物を細かくして、唾液と混ぜて胃へ送ります。
そして唾液には、炭水化物のでんぷんを分解する「アミラーゼ」という消化酵素も含まれています。
つまり、
消化は胃に入ってから始まるのではなく、口に入れたところからすでに始まっている。
「よく噛みましょう」と私が何度もお伝えしているのには、ちゃんと理由があるんです。
STEP2|胃では「胃酸」と消化酵素が働く
食べ物が胃に到着すると、今度は胃酸や消化酵素が働きます。
特にタンパク質の消化では、
胃酸+ペプシンという酵素
が重要な役割をしています。
ここで「ペプシン」という名前を覚える必要はありません😊
知ってほしいのは、
「タンパク質を食べた=そのまま身体が使える」ではない
ということです。
健康やダイエットのために、
「タンパク質をもっと摂らなきゃ」
と、お肉やプロテインを増やしている方も多いと思います。
もちろんタンパク質は大切。
でも「何g食べた?」だけではなく、
「私は、それをちゃんと消化できている?」
という視点も持ってほしいんです。
STEP3|胃の次は、膵臓や肝臓も参加する
胃である程度処理された食べ物は、十二指腸へ進みます。
ここからは胃だけではありません。
例えば膵臓。
膵臓から分泌される「膵液」には、糖質・脂質・タンパク質などの消化を進めるための酵素が含まれています。
さらに、脂質の消化には**「胆汁」**も関わります。
胆汁は肝臓でつくられ、胆のうに蓄えられます。
食事に脂質が含まれていると必要に応じて十二指腸へ送り出され、脂質を細かく分散させて、消化酵素が働きやすい状態をつくります。
つまり、一回の食事を消化するだけでも、
口・胃・膵臓・肝臓・胆のう・小腸……
こんなにたくさんの場所がチームで働いているんです。
STEP4|小腸で吸収して、ようやく身体へ
食べ物が十分に細かく分解されたら、次は小腸で栄養を吸収します。
例えばタンパク質なら、アミノ酸などの小さな形になって吸収され、身体のさまざまな場所で利用されます。
つまり、
食べる
↓
消化する
↓
吸収する
↓
身体で使う
ここまでがセット。
「身体にいいものを食べる」だけではなく、
それを消化して、吸収できるところまで考える。
これは分子栄養学でも大切にしたい視点です。
そして最後に、やっと「大腸」
小腸までの工程を経たあと、残ったものが大腸へ送られます。
大腸では水分や電解質などが吸収され、腸内細菌による発酵なども行われながら便が形成されます。
そして大腸のぜん動運動によって便が運ばれ、最後に排泄されます。
つまり、
「出す」は、一番最後の仕事なんです。
だから便秘だからといって、
「とにかく食物繊維!」
「とにかくヨーグルト!」
と、大腸に何かを足すことだけが腸活ではありません。
40代になって、こんな変化ありませんか?
昔は焼肉をたくさん食べても平気だったのに、今は翌朝まで胃が重い。
揚げ物を食べるともたれる。
夜遅く食べると、翌朝お腹が空かない。
プロテインを飲むとお腹が張る。
健康のために食物繊維を増やしたら、逆にお腹がパンパン。
そんなことはありませんか?
もちろん、
「胃が重い=胃酸不足」
「脂っこいものが苦手=胆汁の問題」
と、症状だけから決めつけることはできません。
ただ、そんな変化が出てきたときこそ、
「身体にいいものをもっと足そう」ではなく、
「今の私は、それをちゃんと処理できている?」
という視点を持ってみてください。
今日からできる「消化する力」の整え方
では、どうすればいいのか。
特別なサプリを増やす前に、まずは今ある消化の仕組みを活かす食べ方から始めてみましょう。
① 食べる前から「消化」は始まっている
実は、食べ物が胃に入ってから突然すべてが始まるわけではありません。
料理を見る。
香りを感じる。
「おいしそう」と思う。
そして口に入れて、噛む。
こうした刺激も消化の準備につながっています。
だから、スマホを見ながら急いで流し込むのではなく、
まず食事に意識を向ける。
そして最初の数口だけでも、ゆっくり噛む。
「一口30回!」と毎回数えなくても大丈夫です😊
② タンパク質は「量」だけを追いかけない
40代になると、
「筋肉のためにタンパク質を摂らなきゃ」
と意識している方も多いと思います。
でも、
お肉をたくさん食べて胃が重い。
その上さらにプロテイン。
これでは「入れる」ことばかりになってしまいます。
胃が疲れている日は、
温泉卵、卵スープ、白身魚、豆腐、柔らかく煮込んだ肉
など、自分が食べやすいものを選ぶのも一つ。
栄養価が高い=今の自分が消化しやすい、ではありません。
食べた量だけでなく、食べたあとの身体の反応も見てみてください。
③ 酸味を上手に食事へ取り入れる
梅干し、レモン、お酢などの酸味。
酸っぱいものを想像しただけで、口の中に唾液が出てきませんか?😊
酸味は唾液の分泌を促すので、食欲が落ちているときにも取り入れやすい食材です。
焼き魚にレモン。
副菜に酢の物。
ご飯に梅干し。
特別なものを買わなくても、昔ながらの食事の中に取り入れられます。
④ 消化酵素を含む食材も上手に使う
私がよくおすすめしているのが大根おろしです。
大根には、でんぷんの消化に関わるアミラーゼなどの酵素が含まれています。
また、キウイやパイナップルにはタンパク質分解酵素が含まれています。
こうした酵素は熱の影響を受けるため、酵素を意識するなら、生で食べられるものは生の状態で取り入れるのも一つです。
焼き魚に大根おろし。
食後や間食にキウイ。
難しいことをしなくても、普段の食事に組み込めます。
⑤ 「脂質=悪い」ではありません
脂っこいものを食べると胃が重いからといって、
脂質を全部カットする
必要はありません。
脂質が小腸へ届くと、消化管ホルモンなどを介して胆のうから胆汁が送り出され、脂質の消化・吸収が進められます。
もちろん、揚げ物や脂身を大量に食べる必要はありません。
魚や卵、オリーブオイルなども含めて、
自分が無理なく食べられる範囲で適量の脂質を摂る。
「ゼロにする」ではなく、「量と質を見る」と考えてみてください。
⑥ 「足す腸活」でパンパンになる人は、一度立ち止まる
ここ、とても大事です。
便秘になると、
ヨーグルト。
玄米。
オートミール。
発酵食品。
食物繊維サプリ。
「腸にいい」と聞いたものを、どんどん足していませんか?
もちろん、それぞれ良い面があります。
でも、
すでにお腹がパンパンなのに、さらに食物繊維などをどんどん足すことが、その人にとって正解とは限りません。
何を食べたあとに張る?
どのくらいなら大丈夫?
便はどう変わった?
まず、自分の身体の反応を見る。
「腸に何を足す?」より、
「私は何ならちゃんと処理できる?」
この視点を持ってみてください。
⑦ 食後は「ちょっと動く」
食後すぐに激しい運動をする必要はありません。
食器を片付ける。
家の中を少し動く。
近所を軽く歩く。
それくらいで十分です。
特に食後の軽い運動は、食後血糖の上昇を抑えることにも役立ちます。
腸活だけでなく、40代からの健康ダイエットという意味でもおすすめしたい習慣です。
「何を食べるか」から「どう処理できるか」へ
タンパク質を何g摂った。
食物繊維を何g摂った。
発酵食品を食べた。
プロテインを飲んだ。
もちろん、何を食べるかは大切です。
でも、その数字だけを見るのではなく、
食べたあと、胃は重くない?
お腹はパンパンになっていない?
翌朝、ちゃんとお腹が空いている?
そして、便はどうだった?
ここまで見てほしいんです。
身体にいいものをどんどん「入れる」のではなく、
入れたものを、消化して、吸収して、使える身体をつくる。
これが、私が考える**「内臓力」**です。
「腸力」は、出す力だけではありません
GRACEAでは、自分で出せる身体をつくるための力を「腸力」と考えています。
でも、それは単純に大腸が動く力だけではありません。
食べる力。
消化する力。
吸収する力。
便をつくる力。
動かす力。
押し出す力。
この一連の流れがスムーズに回る身体をつくること。
だから、
今すでに便が溜まって苦しいときは、デルールでまず「出す」をサポートする🌿
でも、そこで終わりではありません。
まず出す。
そして、出しながら自分で消化して、自分で出せる身体も育てる。
ここまでがGRACEAの考える腸活です。
そして次は、消化のその先。
「ちゃんと食べているのに、なぜ栄養不足になることがあるの?」
小腸の「吸収する力」について、さらに詳しくお話ししていきますね😊
よくある質問(FAQ)
Q. 便秘なら食物繊維をたくさん摂った方がいいですか?
食物繊維は大切ですが、多ければ多いほどいいわけではありません。特にお腹の張りが強い場合などは、急に大量に増やすと不快感が強くなることがあります。量を増やすだけでなく、水分や食事全体、運動、排便習慣なども一緒に見直しましょう。
Q. プロテインを飲むとお腹が張ります。消化できていないのでしょうか?
お腹の張りには、摂取量、乳糖などの成分、飲み方、ほかの食事などさまざまな要因が関係します。「張る=消化力が弱い」とは一概に言えません。毎回症状が出る場合は、種類や量を見直してみましょう。
Q. 胃が重いときはタンパク質を控えた方がいいですか?
タンパク質をすべて避ける必要はありません。量を調整したり、卵、魚、豆腐、柔らかく調理した食品など、自分が食べやすいものを選ぶ方法があります。
Q. 大根おろしは加熱した大根と違うのですか?
大根に含まれる一部の酵素は熱の影響を受けます。酵素を意識して取り入れる場合は、大根おろしなど生の状態で食べる方法があります。
Q. 胃もたれやお腹の張りが続く場合はどうすればいいですか?
食べ方だけでなく、胃腸の病気や薬などが関係することもあります。症状が続く、強い痛みがある、体重減少などほかの変化を伴う場合は、自己判断だけで済ませず医療機関に相談してください。