腸活の要は「消化・吸収」!食べたものより、身体に吸収されたものが大切

前回は、食べたものを身体が利用できる形まで細かくしていく「消化」についてお話ししました。

今日は、その次に起こる「吸収」について、もう少し詳しくお話しします。

私たちは毎日、

「タンパク質を摂ろう」
「鉄を摂ろう」
「野菜を食べよう」

と、何を食べるかには意識を向けますよね。

でも、食べた栄養素がそのまま身体の中で使われるわけではありません。

食べ物は消化によって小さく分解され、その後、腸管から吸収されて初めて身体の中へ取り込まれます。

つまり、

食べた量=身体に吸収された量ではない

ということ。

腸活を考えるなら、「何を食べるか」だけではなく、その栄養をどう身体に届けるかという視点も大切です。

栄養の吸収は、主に「小腸」で行われる

消化された栄養素の多くは、主に小腸で吸収されます。

小腸の内側には、絨毛(じゅうもう)や微絨毛(びじゅうもう)と呼ばれる細かな構造があり、表面積を大きくすることで効率よく栄養素を吸収できるようになっています。

例えば、

  • タンパク質 → アミノ酸や小さなペプチドなど
  • 炭水化物 → ブドウ糖などの単糖類
  • 脂質 → 脂肪酸やモノグリセリドなど

というように、消化によって吸収できる形になってから体内へ取り込まれます。

また、ビタミンやミネラルも小腸を中心に吸収されますが、すべての栄養素が同じ方法で、同じ割合だけ吸収されるわけではありません。

栄養素の種類や食べ合わせ、身体の状態などによっても変わります。

ここが「食べた量」と「実際に身体に取り込まれる量」が同じではない理由の一つです。

吸収率は栄養素によって違う

例えば「鉄」。

鉄には大きく分けて、

ヘム鉄非ヘム鉄

があります。

肉や魚などの動物性食品に含まれるヘム鉄は比較的吸収されやすく、植物性食品などに含まれる非ヘム鉄は、食事の影響を受けやすいという特徴があります。

つまり、

「鉄を○mg食べたから、○mg全部身体に入った」

という単純な計算ではないんですね。

だからこそ、栄養を考えるときは含有量だけを見るのではなく、その栄養素がどんな条件で吸収されやすいのかまで知っておくと、日々の食事をより活かすことができます。

① 脂溶性の栄養素には「適量の脂質」

にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜。

身体に良いからと積極的に食べている方も多いと思います。

ここで知っておきたいのが、脂溶性ビタミンやカロテノイドです。

ビタミンA・D・E・Kなどは脂溶性ビタミンと呼ばれ、脂質と一緒に摂取することが吸収に関係します。

また、β-カロテンなどのカロテノイドも脂質がある食事の方が吸収されやすくなります。

ですから、

「ダイエット中だからドレッシングも油も全部なし!」

と極端に脂質を避ける必要はありません。

例えば、

サラダにオリーブオイルを適量使う。
緑黄色野菜を卵や魚と一緒に食べる。
炒め物として取り入れる。

こうした食べ方もできます。

油=太るから悪いもの

ではなく、脂質には身体に必要な役割があります。

大切なのは、ゼロにすることではなく種類と量を考えて摂ることです。

② 非ヘム鉄は「ビタミンC」と組み合わせる

先ほどお話しした非ヘム鉄は、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収されやすくなります。

例えば、

小松菜+パプリカ
豆類+ブロッコリー
ほうれん草+柑橘類

など。

難しいことをする必要はなく、

「鉄を含む食品を食べるときに、ビタミンCを含む食品も一緒に」

と覚えておくだけでも十分です。

サプリメントだけに頼る前に、普段の食事の組み合わせを見直してみるのもいいですね。

③ 鉄不足が気になるなら、お茶やコーヒーのタイミングも

もう一つ、鉄で知っておきたいのが、お茶やコーヒーとの関係です。

コーヒーやお茶に含まれるポリフェノールの一部は、非ヘム鉄の吸収を低下させることがあります。

だからといって、

「食後のコーヒーは禁止!」

という話ではありません。

特に鉄不足が気になっている方で、毎食必ず食事と一緒に濃いお茶やコーヒーを飲んでいるなら、

食事と飲む時間を少しずらす

という方法もあります。

栄養は「何を摂るか」だけでなく、何と一緒に摂るか、いつ摂るかも考えてみるといいですね。

「吸収できない=腸が悪い」とは限らない

ここも大切なところです。

最近は、

「栄養が足りない=腸が悪い」
「吸収できない=腸内環境が悪い」

と考えてしまうこともありますが、そこまで単純ではありません。

栄養素の吸収には、

消化の状態、
食べ合わせ、
摂取量、
栄養素同士の影響、
年齢や身体の状態など、

さまざまな要素が関係しています。

ですから、何でも「腸内環境のせい」にするのではなく、まずは日々の食事全体を見ることが大切です。

また、食事に気をつけているのに栄養不足が続く場合や、下痢・腹痛・体重減少などの症状がある場合は、自己判断だけで済ませず医療機関へ相談してください。

腸活は「何を食べるか」から「どう活かすか」へ

健康のために、

タンパク質を摂る。
野菜を食べる。
鉄を意識する。

もちろん、どれも大切です。

でも、その一歩先にあるのが消化と吸収です。

例えば同じサラダでも、脂溶性の栄養素を意識して適量の脂質を組み合わせる。

鉄を意識するなら、含有量だけでなくビタミンCとの組み合わせも考える。

こうして考えてみると、

「何を食べるか」だけを考える食事から、
「食べたものをどう身体に活かすか」を考える食事へ

少し視点が変わってきますよね😊

これが、私が腸活で「消化・吸収が要」だと考えている理由です。


よくある質問

Q. 栄養の吸収はどこで行われますか?
栄養素の多くは主に小腸で吸収されます。消化によって吸収できる形まで分解された栄養素が、小腸から体内へ取り込まれます。

Q. 野菜を食べるときは油を使った方がいいですか?
脂溶性ビタミンやカロテノイドなど、脂質と一緒に摂ることで吸収されやすくなる栄養素があります。油をすべて避けるのではなく、適量を取り入れることが大切です。

Q. 鉄を効率よく摂るにはどうしたらいいですか?
植物性食品などに含まれる非ヘム鉄は、ビタミンCを含む食品と組み合わせることで吸収されやすくなります。鉄不足が気になる場合は、お茶やコーヒーを食事と少しずらす方法もあります。



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土井 千春
株式会社シーエスティーグレイス代表 土井 千春